ストレスはインプラント予後に密接な関係があります。
現代は強いストレスを受け続ける事の多い世の中になってきました。
そして、ストレスを受けると脳の視床下部という部分の血流が少なくなる 事もわかってきました。
視床下部は身体の免疫力や身体の機能を一定に保つための機能を司っているため、ここの血流が少なくなるということは、「全身に様々なトラブルが発生する」ということになります。
まとめますと、ストレスは自律神経、免疫、内分泌(ホルモン)に大きく影響してきます。
(そのうち、ストレスにより口腔内に発生する色々なトラブルを「口腔心身症」と呼びます)
口腔心身症・・・口腔内に現れるストレスの形
そのトラブルの一つが、ブラキシ(噛みしめ・歯ぎしり)です。
ストレスを原因としたブラキシ(歯ぎしり・噛みしめ)で歯が抜けた場合 ただそこに変わりの歯(インプラント)を入れたところで、ブラキシは起こり続けるため、同じ結果を招く事は明確です。
自身の歯で耐えられなかった噛みしめの力を、代理の歯が支えられるはずがないのです。
そこで必要になるのが、「ストレスそのものの軽減」か「ストレスを感じている体への医学的なアプローチ」になります。
ストレスに対する医学的アプローチとは
自律神経には車で言うとアクセル役の交感神経とブレーキ役の副交感神経が上手く相互に働いて機能しています。
持続するストレスは、自律神経のバランスを崩します。
人は強いストレスを受け続けると、交感神経の過緊張を起こします。
交感神経の過緊張は血管を収縮させ、筋肉を緊張させます。
したがって、口腔内では虚血(血流不足)と歯ぎしりや噛みしめが発症するということになります。
血流が悪くなり、歯に強い力が加わると栄養不足になり、インプラントをしっかりと支えられなくなります。
これらに対して、そこで私たちはレーザー光による交感神経ブロック療法を行っています。
この治療によって交感神経過緊張から起こる負のスパイラルを止めることが出来ます。
自覚のないストレスをどうするか?
しかし、自分の体がストレスを感じているかいないかを、ご自身でさえも 正確には把握できないのが現状です。
このような症状の時、もっとも注意が必要なのは 「ストレスは感じていないのですが…」と思っている方です。
たとえば「ストレスがあるんです!」という方は「ストレスがある」と他の人に告げる事で、すでにストレスを発散しているのです。
このような場合、自身のストレスがどの程度のものか、 客観的な検査を行うことが必要です。
その検査法には自律神経検査(ストレス検査)や咬合力検査があります。
口腔内に起こるストレスの形
- 舌痛症
- 咬合異常感症
- 口腔乾燥症(ドライマウス)
- 口臭恐怖症
- 顎関節症(心因性)
- 味覚異常
- 非歯原性疼痛
- 非定型性顔面痛
- 歯科恐怖症
- 口腔異常感症
- 咽頭異物感症